「はじめてのうちカクテル」
私の脚本ゼミの卒業生で、近所のバーでバーテンダーのアルバイトをしている光太くんがやってきました。……よく来るんですけど。
一緒にうちゴハンのあと、思いつきでカクテルを作ることになって。
でも、うちにはシェーカーもメジャーカップもミキシンググラスもなーんにもなくて、でも、そんなことでめげないのが私。あるもので作ればいい。
で、銅製のチロリをシェーカーにして蓋は自分の手のひらにしてみたけれど、ちょっとこぼれすぎるので、まずラップで蓋をしてから手のひらで押さえることにしました。
最初に作ってみたのが“森の淡雪(あわゆき)”もどき。
かれこれ30年近く前にこのカクテルを飲み、生まれてはじめておいしい!と思った。
作ったのは世界バーテンダーコンテストで1位になった毛利隆雄さん。しかもこの“森の淡雪”で。
あのときの舌の記憶だけを頼りに作ってみよう。
チロリシェーカーにジン(シュタインヘーガー)をドボドボドボ。
生クリームをその1/3量くらい。シロップを少し。そして抹茶。ちょうど鹿児島県霧島高原の西製茶のおいしい抹茶があったので、それを竹茶杓に2杯くらい。ひとまぜしてから、氷だけは製氷機のじゃなくてロックアイスを3,4個。で、シェイク。
私はもともと激しくシェイクするのが嫌い。見ていてシラケルんだもの。それより丹田に気を入れて、優雅に振るのが好き。毛利さんもそう。
やってみました、ラップ蓋の上に手のひらをおいて、丹田に気をこめて。
グラスに注いでひとくち飲んでみたら……おいしーい!!いろんな店でいろんなカクテルを飲んできたけど、これ、かなりいける。
でも後日譚がありまして。毛利さんの“森の淡雪”をネットで見たら、レシピから全然ちがうの。
本物はベースがコニャックで、生クリームとブルーキュラソーなどが入って……。
舌の記憶って不思議ですね。でもどっちもおいしいんです。本当に。
このあとはパートナーと光太くんがオリジナルレシピで代る代るシェーカー(?)を振りました。
冷蔵庫にあるものをいろいろと探して。
和歌山県谷井農園から届いたみかんやネーブルがあったので、その絞り汁とダークラム・柚子皮。
そして聖護院かぶの絞り汁とウォッカ・雪塩・柚子皮。
どれもなかなかプリミティブでおいしいカクテルでした。
カクテルに大事なのは道具やお酒の種類より、“気”の入れ方ではないかと、思いました。
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