「無花果(いちじく)と豚のソテー」

子供のころから無花果が大好物でした。
生家の庭にも1本、立派な無花果の木があって、季節になると毎日のように摘んで食べました。
死んだ祖母のほかには誰も無花果好きじゃなかったようで、ひとり天国でした。
いや、ひとりだけ天敵がいました。
女優さんだった伯母。彼女の美しい顔の一点、唇の左上にイボのような黒子(ホクロ)があったんです。
そんなイボや黒子を取るには無花果の白い樹液が効く……。
本当かどうかわからないけれど、そう伝えられていました。
で、伯母は無花果をもぎとり、そのヘタの先から滴る樹液を唇の上のイボ黒子に塗って……。


伯母の女優 故・赤木蘭子

数年くり返したある日、伯母は病院でイボ黒子を取ってきました。
しばらくガーゼと絆創膏を付けていたけれど、それが取れるとツルリとなっていました。「どう?キレイになったでしょう?」と、母も私もしつこく訊かれたけれど、う〜ん、なんだかマヌケなかんじがしました。
一般的なキレイより個性的な方が好きな母と私だったのかもしれません。
そして、今夜はそんな思い入れのある無花果に合わせて、江原夫妻が育てた豚のバラ肉を厚く切ってもらって、ソテーにしてみました。
無花果は生だけじゃなくて火を入れてもおいしいんです。
この無花果(とよみつひめ)を育てたのは、福岡の山田さんです。


<今夜の献立>
・キャベツの甘酢漬け
・厚切りの豚バラ肉と無花果のソテー
・カレーピラフ



レシピ 豚と無花果のソテー

◯材料
豚バラ肉厚切り 150gくらい1枚
無花果 2個
レモン ½個

◯作り方
1)バラ肉に塩胡椒してから2−3時間マリネする。マリネ液(オリーブオイル大さじ2,レモン汁¼個分、つぶしニンニク1片、ローリエ1枚)はアバウトで。
2)オイル(大さじ1)を入れたフライパンを軽く熱したら、マリネ液を拭きとったバラ肉を入れ、中火できつね色が付くまで焼いたら裏返す。弱火にしたら蓋をして3〜5分ほど、肉汁が表に浮きだした頃を目安に肉をとりだす。
3)フライパンに残った焼き汁に無花果(皮をむき⅓ 〜¼にカット)を入れて弱火で火を入れながら塩胡椒で味つけし、裏表に焼き汁をふくませる。うっすら焼き色がついたら酒大さじ1を入れ中弱火でアルコールを飛ばしながらレモン汁¼分を入れ全体にからませる。


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