出会いは、原宿の表参道沿いにあったMOMA(ニューヨーク近代美術館)のスーベニアショップ。ひと目で気に入った。
いったいどんな素材で作られているのかしらとチェックしていると、店員さんが説明してくれた。「このバッグはキャンディやチョコレートの包装紙で作られているエコ製品です。デザイナーはインディオ系らしいですよ」。
なるほど包装紙を織って、それにフィルムコーティングしてあるらしい。
なかなかキュッチュで、どんな服にも合いそうだ。さっそく買うことにした。たしか2万5千円くらいでした。
丈夫で荷物もたくさん入るし、手入れも簡単。汚れたら雑巾で拭いて乾拭きすればOK。
「Nahui ollin」のバッグ、もうひとつ欲しいなァと思ったけれど、原宿の店でも売らなくなり、他にもなさそう。と思っていたら代官山の雑貨店にひとつだけありました。翌年のクリスマスに近いある日。それはほぼ真っ白で、内側がかわいくて、さっそく買いました。
これで終わりと思っていたら、偶然通りかかった吉祥寺の小さな店でバーゲンをしていて、残りものなので種類は少ないけれど70%OFF!
思わず買ってしまいました、2個も。
だから4個の「Nahui ollin」のバッグがあります。
同じものをいくつも買うなんて、ユニクロのヒートテックの下着くらいなのに。
デザイナーはOlga abadyという女性で、使う紙はキャンディのほかに新聞紙や雑誌のグラビアページもあります。それらの紙を、古代マヤに伝わる技(編んだり、束ねたり)をいかしてバッグに再生していることも知りました。同じものは二つと無いことも。
とにかく使い勝手がよくて丈夫で便利なバッグです。着物でも持てます。
そしてこのバッグにはちょっとしたサプライズがあります。これを持っていると本当によく声をかけられます。40代から上の女たちに。
歩いていても、信号待ちでも、電車や病院などで隣り合わせになるとほぼ言われます。「あら、かわいい」「ステキだわぁ」「ご自分でお作りになったの?」(これが意外と多い。自分で作れるなら作ってみたい、と思うのかしら)等々。オーバーじゃなく、百人をこえる女たちにきかれてきました。
このバッグのなにがこれほど大人の女たちの心をとらえるのか。
とてもチャーミングな謎のような気がしています。女って、工業製品より手で作られたものが好きで、できれば、自分の手で作ってみたいと思う生きものなんですね。素敵なことですよね。